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お正月は宮沢賢治

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みなさま、今年のお正月はいかがでしたか?
今日あたりから、普段の生活に戻られたのではないでしょうか?

私は、年末に体調がガタ崩れしてしてしまい、今年は寝正月を決め込んでいましたが、
元旦は、朝から着物を着て、奈良の長谷寺へお参りに行きました。
長谷の観音さんの前で、今年の抱負を宣言!?(笑)
初瀬川添いに山道をドライブして、万葉集の世界を堪能しました!
2日は、寒い京都を脱出!ぽかぽか小春日和の四国へ。
金毘羅さん、善通寺をまいり、讃岐うどんを食べて、広島へ再上陸。
香川県のうどん屋さんの天ぷらって、なんであんなに美味しいんでしょうか?しかも安い!

そんなこんなで、今年のお正月は、西日本をうろうろしていたのですが、
その合い間で、宮沢賢治の本をひたすら読んでいました。

以前から、宮沢賢治という人物に、とても興味を持っているので、文庫本をいくつか持っていますが、どうも読みにくい。。(汗)
宮沢賢治の文章は、句読点が少なかったり、ひたすら、ひらがなが続いたかと思えば、
急に難しい科学用語や天体の名前が出てきたりするので、(しかも、昔の発音なので)・・・
必死に理解しようとしても、文章が全く読めない時があるのです。

しかしこの年末年始は、天変地異が起こったかのように(笑)
宮沢賢治の文章が、次から次へとハイスピードで体に浸透してくるような感覚に襲われました!
たまに、同じような事が起こるのですが・・・
自分が読んでるようで、別の誰かが読んでいるような・・・不思議な感覚なのです。。

いろいろある物語の中でも、『銀河鉄道の夜』に、きゅーっと心を掴まれました。

『銀河鉄道の夜』、とても有名な物語ですね。
主人公のジョバンニが、夢の中で列車に乗って宇宙を旅するお話。(説明簡単すぎ。)

その列車では、親友カンパネルラを始めとして、いろいろな人々が乗り合わせますが、
実は、乗客全員、既に死んでしまった人だったのです。
そして、列車では、ジョバンニたちは、「ほんとうのさいわい」について考え語ります。
最終的に、死者は次々に列車から消えていきますが、
ジョバンニは列車を降り(夢から覚める)、元の場所(この世)に戻ります。

終始、「死」を連想させるモチーフが登場するので、暗く物悲しい雰囲気が漂っているのですが、同時に生きる希望もみえてきます。

心に残った会話を一つ。
灯台守が
「なにがしあわせかわからないです。ほんとうにどんなつらいことでもそれがただしいみちを進む中でのできごとなら峠の上り下りもみんなほんとうの幸福に近づく一足ずつですから」
すると、青年が祈るように答えます。
「ああそうです。ただいちばんのさいわいに至るためにいろいろのかなしみもみんなおぼしめしです。」

薄い墨染のベールの向こうに、キラキラと輝く宝石の粒を見つけたような気分になりました。

お正月早々、生と死の境目に立たされた気分になりました。。(笑)

なんだかんだ宮沢賢治を読んでいたら、一月はNHKで宮沢賢治特集を放送するのです!
タイミング良すぎ。。
『こだわり人物伝』http://www.nhk.or.jp/etv22/wen/summary.html

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