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天平を感じる旅

昨夜、関西から戻りました。満月がきれいな夜でした。
ちょうど満月が夜空に上りだした頃、私は新幹線に乗ったので、月と並走しているような感じで、きれいでしたよ!

今回は、仏画に加え、博物館3館を巡ってきました。
朝一番は、吹田市立博物館の「行基展」です。
こちらの博物館で、お友達がお仕事をしていることもあり、今回、学芸員さん直々の説明を受けながら、展示を拝見させて頂きました。

行基は、奈良時代の僧侶で、布教活動だけでなく、建設事業や土木工事などの社会活動も精力的に行い、民衆のために尽力されました。
当時、僧侶が公務員のような仕事だったので、個人の布教活動を禁じられていましたが、行基と民衆の結集は次第に大きくなり、朝廷から圧力がかかり始めます。
しかし行基は、民衆の支持を得て、危機を乗り越え、次第に朝廷にも認められるようになります。その後は、東大寺大仏建立に貢献するなど、国家事業にも協力することになり、大僧正の位を与えられるまでになります。

今回の展示の目玉は、ポスターにもなっていた、行基菩薩座像(唐招提寺蔵、重要文化財)でしたが、私が一番惹かれたのは、「四聖御影図」でした。
東大寺造立に尽力された、聖武天皇、菩提僊那(ぼだいせんな)、良弁、行基が描かれております。
一つの空間で、四聖人が向かい合い、何か話し合いをしているような様子ですが
上座の聖武天皇だけは、特別大きく描かれており、天皇の威厳を絵からも感じられます。

関西各地の、行基が登場する絵巻物が、いくつか展示されていました。
その中に、堺市の長谷寺の「和泉長谷寺縁起」がありまして、私が今描いている長谷寺観音さんが登場。。こちらも初めて知ったので、心がときめきました。。

何だかんだ長くなりましたので、この辺で、、、
吹田市立博物館の皆さん、本当に気さくで、親切な方ばかりで、本当に感謝です。

お次は、行基さんのゆかりの地でもあり、私の大好きな地でもある奈良へ向かいました。
近鉄奈良駅の広場にある行基像を眺めてみようと思っていたのですが、ちょうど舗装工事をしている最中で、行基さんは、幕の中に隠れて居らっしゃいました。。(笑)

奈良国立博物館の「當麻曼荼羅展」へ。(詳しいことはhpを!)

国宝綴織當麻曼荼羅は、奈良葛城市の當麻寺に伝わる浄土曼荼羅です。
その織物には、蓮から採った糸が織り込まれているとう伝説もあります。
実物は、褪色が激しく、肉眼では、仏さまがうっすらと確認できるくらいですが、迫力を感じるのです。。
『當麻寺縁起』の展示は、実物の絵を目で追いつつ、その場で、絵の内容を確認する事が出来たので理解しやすかったです。

仏画を描く時や、彫金のデザインを考える際に参考にしている資料があるのですが、
その中に登場する作例のいくつかが、今回展示されており、実物を見ることが出来て感動しました。

東大寺ミュージアムで開催されている、「東大寺金堂鎮壇具展」へ。
こちらでも、本で眺めていた仏さまや、八角灯籠など。。実物を間近で見ることが出来て、勉強になりました。
吹田で出会った「四聖御影図」に、こちらで再会しました。
同じ図像ですが、文様など、細かい部分に違いがありました。
吹田で説明を受けていなかったら、意味もわからず、素通りしていただろうなぁ。。と思うのでした。。汗

この日は、一日中雨でした。。
雨を気にしつつ、どんどん増えていく荷物を両脇に抱え、長距離を歩いきました。
京都に到着した時には、頭も体も、ふやけ切ってしまいました。。
翌日から、全身筋肉痛です。(笑)

展示物を沢山見て、脳トレにもなったし、筋トレにもなった旅でした。。
3館それぞれ、場所も展示内容も違いはありますが…
「天平」というキーワードで、三館が一本の糸で繋がっている様で、少しずつ理解が深まっていくような感じがしました。

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