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クローン仏と出会う 

身内の用事で島根へ。
私は一人、身内と別れ、松江にある島根県立美術館へ立ち寄ることにしました。
現在開催中の、「水野美術館コレクション 日本画の美」を見たかったのです。
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明治期から平成に活躍した日本画家の名品が展示されていました。
この展覧会では、軸装作品一つ一つが、単体のガラスケースに納まっており、
作品までの距離15センチくらい。思う存分、接近して、線一本ずつ、どのように描かれているのか、じっくり観察することが出来ました!
最近、花鳥画に興味がありまして、昭和初期の池上秀畝や宮田司山の、ちょっとギラっとした極彩色な花鳥画に目が留まりました。岩場や苔、岩から湧き出る山水の描き方など、参考になりました。
そして、ギャラリーでは、東京藝術大学のクローン文化財展が開催されていました。
世界で失われつつある文化財を、伝統的な技術と現代的なデジタル技術と、2D,3D印刷技術との融合で再現し、後世にデータ保存、共有する活動をされているそうです。
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こちらは、法隆寺金堂の復元コーナー。

3Dプリンタで印刷されたプラスチックの仏像を型を取り、鋳造。その後、復元技術によって、オリジナルに近づけていくそうです。

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クローン三尊は、オリジナル三尊と異なる部分が数か所あるそうです。


まず、クローン釈尊にある白毫の石や光背の飛天。オリジナル釈尊のパーツは紛失してしまい、現在、跡かた(穴)だけが残っているそうです。

そして、釈尊の両側の脇侍。オリジナルの脇侍は、上の写真と逆に配置されているそうです。オリジナル三尊が国宝指定される前は、この配置だったとか。
長い年月の間に、逆に配置され、そのまま国宝指定。元に戻せなくなったそうです。

もちろん、長い歴史を生き抜いたオリジナルがNo. 1だと思うのですが

360度あらゆる角度から見て、触って、匂って

詳細を確認出来るクローン文化財は、資料として見れば最高に楽しい。

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法隆寺金堂を出ると、北朝鮮の高句麗古墳(四神図)、中国の敦煌莫高窟

ウイグル自治区のキジル石窟、タジキスタンのペンジケント遺跡、アフガニスタンのバーミヤン東大仏が続きました。

気のせいかもしれませんが…各遺跡に、それぞれに香りがありました。法隆寺はヒノキの香がしました!

いくら最新デジタル技術が発達しても、伝統的な学問や知識、技術者の職人的手作業なくしては、クローン作品は完成しないそうです。どちらも大切な技術なんですね!

「コピーされたもの」と、一言で片付けることが出来ない、現代の復元技術の素晴らしさに感動しました!


そして…

これまで、宗教や人種の違いによる争いごとによって、世界中の大切な文化財がたくさん破壊されてきたことを、改めて考えさされました。

相手の信じるものと自分の信じるものが違っていることが、相手の大事なものをぶっこわさなくてはならないほど重大なことなのか…

八百万の神がいる国に生まれ育った私には、そのような破壊行為に至る心理を、心底理解することは難しい。。

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