7月の仏画教室
7月も仏画教室2校を開講いたしました。
まずは、クレド教室。
彩色画、墨線描き練習と、それぞれの作業に取り組まれました。
暈繝彩色(うんげんさいしき)
彩色画は2作品目の生徒さんですが、絵具の溶き方、塗り方ともに、上達されています。
手際が良く、根気強さが制作に現れています。
供養菩薩(くようぼさつ)
青の暈繝彩色が入りました!
不動院教室は、前日の豪雨で開催が心配されましたが、晴天の中、皆さん集合することが出来ました!
阿弥陀如来坐像を制作されている生徒さん。
肌色を無事に塗られ、一安心です!
俱利伽羅龍剣を制作中の生徒さん。
線起こしと、金泥を残すばかりとなりました。あと一息です!
散華の暈繝彩色の生徒さん。
難しい鳥の彩色。毛並みを極細面相筆で描いておられます。
紺紙金泥画「大日如来坐像」
金泥の扱い方を、熱心に勉強されました!線描きも順調です!
暈繝彩色初挑戦の生徒さん。ウクライナの国旗の色をバックに平和を祈ります。
龍神図に挑戦されている生徒さんとの会話の中で、どのような龍神さんにしたいですか?と質問させていただきました。
すると、以前、私が描いた龍神図の中の龍と同じ色合いにしたいというリクエストがありました。
「じゃあ黒系ですね!」と私が答えたら、生徒さんは「いいえ。白い龍です!」と…
「白い龍??あれ?描いたことないなぁ。。。汗」と、一瞬フリーズしてしまいました。不思議な気分のまま(笑)教室を後に。
アトリエに戻り、龍神図をジーっと眺めながら、なぜこの龍が白く見えるんだろう??と考えていたら…
わかりました!!
私の龍神さんは、「雲気が立ち込める闇を切り裂き現れる龍神」というイメージで描きました。
なので、龍神さんは、独自で混色した黒系絵具で塗った後に、筋肉や腹などの出っ張り部分を、白系、シルバー、ゴールドの明るい色で隈取を(ぼかし)を入れています。黒い龍だからと言って、真っ黒に塗りつぶすわけではありません。
私は「黒い龍」というイメージで眺めるので、視点は、龍の黒い色の部分にあります。
しかし、生徒さんはそのような題材で描かれていることは知らず、白系絵具の隈取りに視点を置いて眺められたため、白い龍と認識されたのでした。
同じものを眺めていても、見る人によって、見え方が違うということを改めて気づかされる、興味深い出来事でした!
ちなみに…
仏様の真っ赤な衣を表現する際も、ただ真っ赤な絵具をべた塗りするだけではなく、しわの部分や盛り上がった部分に白系の隈取りを入れてみたり、逆にオレンジ系の丹という絵具を塗った上に赤色でぼかして赤い衣をイメージさせてみたりと、
ある一つの色をあらわすにしても、いろいろな表現方法があります!それを考えるのが楽しみ(苦しみ…笑)でもあります!